スチール缶のふたもアルミなんですが、これが今はリサイクルされていません。
従来の方法では最初にスチール缶とアルミ缶に分けてしまうため、再びアルミとして再生されることはありません。
このアルミの量は、缶に使用されている全アルミ量の1/3にものぼります。
スチール缶の生産量の方が圧倒的に多いですから非常にたくさんの貴重なアルミがなくなっているのです。
このスチール缶からプルタブを取れば、貴重なアルミ資源が有効利用できます。
ふたのアルミは#5000系のアルミです。
ふたのプルトップ部分は開けやすいように、サクッと切れるマグネシウム合金(4~5%含有)
胴の部分のアルミは#3000系のアルミで、どちらも良い材質なんですよ。
胴の部分は一枚の板から深絞り加工で成形しますので、柔らかく粘りけのあるマンガン合金(1~1.5%含有)が
要求されます。
こういった事情で、それぞれが違った性質のアルミが使われているのです。
なぜ、チップが良いのかと言いますと、600℃以上の高温で溶けたアルミの中に水分が入ると水蒸気爆発といって非常に危険な事が起こります。
飲み残しの缶が混ざっていたりしますと危険ですので、これを避けるために細かく切って水分のないことを確かめてから炉の中に投入します。
アルミの中にちょっとでもスチールが入るとアルミの純度が落ち、価値が一気に落ちてしまうこともチップ化の大きな原因です。