一人一人の小さな協力できれいな町とあたたかいふれあいを
~プルタブ・空き缶回収で車椅子を寄贈~
~プルタブ・空き缶回収で車椅子を寄贈~
空き缶のプルタブやアルミ缶を集めて、それで車椅子を購入し、医療・福祉関係の施設や高齢者施設に寄贈する運動があると聞き、お話をうかがってきました。小さな子どもからお年寄りまで誰もが気軽に参加できて、町の美化、資源保護に貢献しながら、人々のあたたかい気持ちもつなぐ運動です。
<14年も続いているプルタブ回収運動>
今回、お話をお聞かせいただいたのは、環公害防止連絡協議会の家野一夫さんと、この活動に協力しておられる(株)フクナガエンジニアリングの乾晃一郎さんです。
この「プルタブを回収して車椅子に」という活動は、すでに14年間も続いており、もともとは静岡県清水市で立ち上げられたものです。最初に活動を開始された前会長の豊田さんが体調を崩され、平成12年から大阪の家野さんが急きょ引き継いで活動を続けることになりました。現会長の家野さんは本業のかたわらボランティアで、主にお休みの日などに活動しておられます。
「不思議なご縁で豊田会長と知り合い、何か大きな力に引っ張られるような気持ちで始めたんです。ちょうどフクナガさんとお仕事を通じて仲良くさせていただいていて、快く協力してくださったことも大きいですね。フクナガの社長も、企業は社会貢献をやらなければいけない、という強い思いがあったようです。まわりの方からは『大変ですね』などとよく言われるのですが、この活動をやっていると本当に楽しいんですよ。集めてくださっている方たちとのコミュニケーションがあるから、やりがいがあるんです」
この「プルタブを回収して車椅子に」という活動は、すでに14年間も続いており、もともとは静岡県清水市で立ち上げられたものです。最初に活動を開始された前会長の豊田さんが体調を崩され、平成12年から大阪の家野さんが急きょ引き継いで活動を続けることになりました。現会長の家野さんは本業のかたわらボランティアで、主にお休みの日などに活動しておられます。
「不思議なご縁で豊田会長と知り合い、何か大きな力に引っ張られるような気持ちで始めたんです。ちょうどフクナガさんとお仕事を通じて仲良くさせていただいていて、快く協力してくださったことも大きいですね。フクナガの社長も、企業は社会貢献をやらなければいけない、という強い思いがあったようです。まわりの方からは『大変ですね』などとよく言われるのですが、この活動をやっていると本当に楽しいんですよ。集めてくださっている方たちとのコミュニケーションがあるから、やりがいがあるんです」
環公害防止連絡協議会 旧:関西支部
集められたプルタブ
<これまでに1,450台の車椅子を寄贈>
この「プルタブ・アルミ缶回収運動」とは、個人や地域、学校などの団体で空き缶のプルタブやアルミ缶を回収し、こちらの環公害防止連絡協議会に送ります。その重量を協議会で累計、管理し、大体アルミ800kg(プルタブ140万~200万個)になると集めておられる方に連絡がいき、車椅子1台に感謝状をつけてお送りするという仕組みです。活動開始からこれまでに、約1,450台の車椅子を寄贈してきました。
この運動は「公害を生み出さない人づくり」と「空き缶散乱公害をなくす」ことを目指して始まりましたが、参加者にものを大切にする気持ちや、お年寄りや障害のある方への思いやりが芽生え、ひいては自分のまわりを住みやすい環境にしていこうという思いも根づいてきたようです。一人ひとりの小さな努力の積み重ねが、大きな成果が得られることから、多くの小・中学校が参加し、最近では総合学習の時間に見学に訪れる子どもさんも増えてきているということです。
この運動は「公害を生み出さない人づくり」と「空き缶散乱公害をなくす」ことを目指して始まりましたが、参加者にものを大切にする気持ちや、お年寄りや障害のある方への思いやりが芽生え、ひいては自分のまわりを住みやすい環境にしていこうという思いも根づいてきたようです。一人ひとりの小さな努力の積み重ねが、大きな成果が得られることから、多くの小・中学校が参加し、最近では総合学習の時間に見学に訪れる子どもさんも増えてきているということです。
およそ800kgのアルミで車椅子1台が買える
協力いただいているカワムラサイクルの車椅子
<全国各地から毎月7~8トンのプルタブが集まる>
実際に回収されたプルタブを見せてもらいました。以前は、上ぶたからちぎれて取れるタイプでしたが、やわらかいアルミでできているために折れ曲がって、歩いている人の靴底に刺さったり、ケガをさせることがありました。また、落ちているプルタブを動物や鳥が飲み込んで病気になったり、死んでしまうことも数多くありました。そこで、ふたからはずれない「ステイ・オン・タブ」という現在主流になっているプルタブがアメリカで開発されたそうです。
ビールなどはアルミ缶なので、ふたをはずす必要はなく、そのまま缶をつぶして送ってもらえばよいということです。ジュースなどのスチール缶は上ぶたがアルミ製なので、プルタブのみをはずして送ってもらっています。
これを20kg~25kg単位で箱または袋詰めにし、ヤマト運輸の「クロネコヤマトの宅急便」の着払いによって、こちらの環公害防止連絡協議会に送ってもらいます。その際の料金は全国一律600円となり、協議会が一時立て替えをし、集めたアルミの代金から差し引いています。ヤマト運輸は支店や取次店も多く、参加者の方々にとって利便性も高いことからお願いしているということです。全国から月間、7~8トンものプルタブやアルミ缶がここに集まってきます。
「新規の参加者さんから送ってこられたものには、スチールや異物が混じっていることが多く、磁石でまず異物を取り除きます。また、どんな異物が混じっていたかをお知らせして、改善していただくよう協力をお願いしています。ご指摘させていただくと、すぐに異物が混じることもなくなり、きちんとアルミばかりが送られてくるようになりますね」
ビールなどはアルミ缶なので、ふたをはずす必要はなく、そのまま缶をつぶして送ってもらえばよいということです。ジュースなどのスチール缶は上ぶたがアルミ製なので、プルタブのみをはずして送ってもらっています。
これを20kg~25kg単位で箱または袋詰めにし、ヤマト運輸の「クロネコヤマトの宅急便」の着払いによって、こちらの環公害防止連絡協議会に送ってもらいます。その際の料金は全国一律600円となり、協議会が一時立て替えをし、集めたアルミの代金から差し引いています。ヤマト運輸は支店や取次店も多く、参加者の方々にとって利便性も高いことからお願いしているということです。全国から月間、7~8トンものプルタブやアルミ缶がここに集まってきます。
「新規の参加者さんから送ってこられたものには、スチールや異物が混じっていることが多く、磁石でまず異物を取り除きます。また、どんな異物が混じっていたかをお知らせして、改善していただくよう協力をお願いしています。ご指摘させていただくと、すぐに異物が混じることもなくなり、きちんとアルミばかりが送られてくるようになりますね」
クロネコヤマトの宅配便によって全国から届くアルミ缶とプルタブ
集められたアルミから磁石でスチールをよりわける
<小さな輪が大きな喜びにつながる>
「『集めていただいている方に、あと何kgで車椅子ですよ』とお知らせのハガキを出すたびに、参加者の方々と二人三脚で走っているような気持ちです。ついに800kgを超えて車椅子を送ることができるときは、毎回胸が熱くなる思いです。その後、贈呈式の写真や感謝の手紙を送っていただいたりして、感激もまたひとしおですね。」
小さな子どもたちやお年寄りが、家庭や地域からプルタブや空き缶を集め、鉄分やゴミを取り除き、それを先生や施設の担当の方々が取りまとめ発送し、宅配便の方々の手を借りて協議会に届き、乾さんや家野さんたちのご努力で管理され、その努力が車椅子に変わり喜んでいただける・・・一人ひとりの小さな輪がだんだんとつながり、大きな喜びに広がっていく。参加される誰もがハッピーになれるこんな活動が、日本中に展開されると、ずっと暮らしやすい社会になるはずだという思いを強くしました。
一般社団法人 環公害防止連絡協議会
TEL 0743-89-0479 FAX 0743-89-0614
小さな子どもたちやお年寄りが、家庭や地域からプルタブや空き缶を集め、鉄分やゴミを取り除き、それを先生や施設の担当の方々が取りまとめ発送し、宅配便の方々の手を借りて協議会に届き、乾さんや家野さんたちのご努力で管理され、その努力が車椅子に変わり喜んでいただける・・・一人ひとりの小さな輪がだんだんとつながり、大きな喜びに広がっていく。参加される誰もがハッピーになれるこんな活動が、日本中に展開されると、ずっと暮らしやすい社会になるはずだという思いを強くしました。
一般社団法人 環公害防止連絡協議会
本部事務局 (奈良県)
TEL 0743-89-0479 FAX 0743-89-0614
(文責:エコロジシンフォニー編集部 原田)(エコロジーシンフォニー2003年4月号)